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第193回中央委員会 海老ヶ瀬 中央執行委員長挨拶
はじめに
中央委員会にご出席頂きました代議員、並びに傍聴者の皆さん、大変ご苦労様です。
2016年という、新たな年を迎え、各単組におかれましても、日々の活動、さらに、運動の前進に向けた取り組みなどに対しまして、改めて、敬意を表する次第であります。

本日の中央委員会につきましては、中心議題である「2016年春闘方針」について、ご論議いただきますので、春闘に臨む主な考え方について触れながら、挨拶に代えさせていただきたいと思います。

2016年春闘につきましては、全電線としても、これまで、昨年12月の「春闘シンポジウム」や、年明けからの「地協オルグ」を実施するなかで、足下の取り巻く環境、具体的な闘争方針を含めまして、その間に頂きましたご意見等を反映しながら、本日、「2016年春闘方針(案)」を提起し、確認を得ていきたいと考えております。

とりまく情勢
まず、「2016年春闘」を取り巻く環境であります。

世界経済につきましては、IMFの世界経済見通しで、2016年の成長率を3.4%とし、2015年10月時点の予測から0.2ポイント下方修正し、中国経済の減速で世界の貿易が減り、資源価格も下がるリスクを指摘しました。2017年は緩やかに回復すると見込むものの、新興国の減速や資源安などを克服できなければ「世界の成長は頓挫しかねない」と強く懸念をしております。

日本経済につきましては、政府は1月22日に、政府経済見通しを閣議決定し、2015年度の日本経済をみますと、「大胆な金融政策、機動的な財政政策、民間投資を喚起する成長戦略を柱とする経済財政政策の推進により、雇用・所得環境が改善し、原油価格の低下等により交易条件が改善する中で、緩やかな回復基調が続いている。雇用・所得環境が改善する中、緊急対策等の効果もあって、景気は緩やかな回復に向かうことが見込まれる」としております。

また、物価の動向をみますと、「原油価格等の下落の影響があるものの、経済の好循環が進展する中で、物価の基調は緩やかに上昇している。この結果、2015年度の実質GDP成長率は1.2%程度、名目GDP成長率は交易条件の改善もあって2.7%程度と見込まれ、消費者物価(総合)は0.4%程度の上昇と見込まれる」としております。

そして、2016年度の日本経済見通しは、「「緊急対策」など、「平成28年度の経済財政運営の基本的態度」に示された政策の推進等により、雇用・所得環境が引き続き改善し、経済の好循環が更に進展するとともに、交易条件が緩やかに改善する中で、堅調な民需に支えられた景気回復が見込まれる。物価については、経済の好循環の進展により、需給が引き締まっていく中で上昇し、デフレ脱却に向け更なる前進が見込まれる。この結果、平成28年度の実質GDP成長率は1.7%程度、名目GDP成長率は3.1%程度と見込まれ、また、消費者物価(総合)は1.2%程度の上昇と見込まれる」としております。

電線産業におきましては、電線工業会がまとめました2015年度の銅電線出荷量改訂見通しでは、前年比微減の71.7万㌧と、6年ぶりに減少する予測がされております。各企業におきましては、国内需要が横ばい傾向であるなか、事業構造改革や、収益体質の強化を引き続き求められている状況ではありますが、その各種施策の効果などから、収益は概ね改善傾向にあると考えます。

このように、足下の状況につきましては、世界経済は緩やかに回復しており、日本経済も一部に弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続いている状況であります。

そのなかで電線産業は、2015年度の国内需要が6年ぶりに減少となる見通しではあるものの、収益については各企業努力により改善がされてきているのを見ますと、その企業発展に向けた組合員の「協力・努力」は大きく、全電線としても、これまでの「企業基盤の強化と健全な発展が、組合員生活の維持・向上につながる」との考え方を基本に、組合員に成果を還元できる「2016年春闘」にしていきたいと考えております。

具体的取り組み
その2016年春闘の具体的な取り組みについては、
まず、世間では回復にある雇用情勢ではあるものの、現下の全電線の状況を鑑み、引き続き「雇用の維持・確保」、これを「最優先すべき最大の課題」と位置づけ、取り組んでいく考え方であります。電線産業内でも操業量や構造的な違いもあり、雇用問題が顕在化しているなかで、引き続き雇用の安定に向け、この春闘においても経営へ質していく必要があり、また、労使での事前協議制への対応についても強化していくべきと考えます。

「賃金」につきましては、デフレ脱却と経済の好循環実現等を含めた賃金の社会性や横断性、実質賃金の維持・向上と物価動向、さらには将来の電線産業を担う人的投資や人材確保の観点から「定期昇給をはじめとする賃金構造維持分の確保」を図ったうえで、賃金引き上げに取り組むという考え方であります。
先日の定例労使懇談会では、昨年一昨年同様、賃金構造維持分には言及がなかったことから、今年度も賃金引き上げが焦点になると考えております。経営側は、マクロの視点での賃金引き上げに対し、社会全体の課題を個々の企業に要求されることには、些か無理があるとし、賃金引き上げとはベアのみならず、定期昇給や賞与、手当等を含む年収ベースで捉えるべきものと、非常に厳しい考え方を示してきております。しかし、賃金の社会性や横断性に加え、何よりも、厳しい組合員の生活実態と、これまでの協力・努力による生産性向上を考えるならば、要求は正当なものであり、是非、自らの単組の賃金水準、賃金カーブを確認するなかで、納得性のある賃金引き上げに向け、各単組の前向きなご対応を、よろしくお願いしたいと思います。

さらに「年間一時金」につきましては、ここ数年、全体として妥結月数は上がりつつあるものの、いまだ低位であるとの認識に立ち、今春闘でも「適正な水準への回復」をすべての組合で目指していただきたいと考えます。そして今まで以上に「産別ミニマム」の重要性、生活給としての必要不可欠な位置付けを念頭に置き、加えて業績に対する適正な反映を求め、取り組んでいきたいと考えておりますので、各単組の対応についても、よろしくお願いしたいと思います。

「退職金」につきましては、「勤続42年・60歳」の取り組みを基本としつつ、従来通りの「中卒・勤続35年・60歳」について各単組の実態に即し取り組んでまいりますので、労使での充分な話し合いをよろしくお願いいたします。また、「勤続42年・60歳」における標準モデルや現行水準の確認などの準備を進めていきますのでご理解とご協力をお願いいたします。

「ワーク・ライフ・バランス」の実現に向けた取り組みにつきましては、引き続き「労働時間短縮」の前進に向け取り組み、特には長時間労働の是正を行っていただきたく、全電線においても、まだ多くの単組で時間外労働80時間を超えて勤務をされているという実態ですので、労使で協議をするなかで、管理と是正など実効性のある取り組みをお願いいたします。
また、次世代育成支援と育児介護への対応については、連合の考え方や先行する同業の内容を参考にするなかで、それぞれ全電線の基本的考え方を作成しましたので、この考え方に沿って要求し、そして制度改正につなげていただけるようお願いいたします。

生活環境の改善と産業政策の実現については、通年での幅広い取り組みを推進してまいりますが、特に本日お越しいただき挨拶を賜ります「矢田さん」におきましては、全電線と政策協定を結ぶなかで、産業政策の実現に向けて、私たちの声を代理人として各所へ届けていただけるものと考えますので、そのためにもご支援・ご協力をよろしくお願いいたします。

このように、2016年春闘の取り巻く環境については、総じて回復基調にあるという情勢からしますと、私たちが求める「組合員の生活」を守りぬくとともに、さらに前進することで「安心・安定」をめざし、そのことが組合員の期待に応えるということにつながる「2016年春闘」にしていきたいと考えます。

全電線としましても、これら「2016年春闘」の具体的な取り組みにつきまして、先日の「定例労使懇談会」において理解を求めるべく、経営側に要請をしたところでありますが、今後についても、電線経連を中心に、具体的な話し合いを、継続して進めていきたいと考えております。

おわりに
以上、産別としての「2016年春闘」に臨む考え方を述べさせて頂きました。

足下の産業・企業実態につきましては、銅電線出荷量を見ますと横ばい傾向にあり、今後の見通しについても、まだ難しさが残っている状況にあるとの認識でありますが、全電線としても、本日「2016年春闘方針(案)」の確認をいただき、具体的な要求項目に対し、精一杯取り組んでいく考え方でありますし、「全電線」に集う全単組が、「2016年春闘」を精一杯闘い抜き、「闘争の成果」に結びつけていかなければならないと考えております。

重ねて、各単組のご奮闘をお願いするとともに、我々全電線も、精一杯取り組む決意を申し上げ、挨拶に代えさせて頂きます。

ともに頑張りましょう。



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